ロジハイツ

ロジハイツができるまで

『想像建築』プロジェクト

物件が建つまで土地を広場として暫定利用し、荒川区の魅力に触れられるイベントを開催してきました。イベントを通して、物件のコンセプトを決め、未来の住人さんや近隣の方と関係性を作ってみる実験です。

どんな物件がいいか想像しながら建てるので、実験の名前は『想像建築』と名付け活動してきました。



私がおばあちゃんになっても
楽しい町であってほしい

想像建築を始めた背景のひとつに、荒川区の変化があります。
昨今、荒川区の尾久〜町屋エリアも画一的な新築物件が増え、景色が変わりつつあります。町が活性化するのは嬉しいですが、荒川区らしい個性ある街並みが消えるのは寂しい面もあります。色々な事情やメリットがあるとは分かっているのですが、「私がおばあちゃんになった時、私が好きな荒川区の個性は消えていないかなあ?」と不安になりました。
無個性な町に愛着を持つ人は少なく、長い目で見るとエリアの価値も下がってしまいます。このような町の事情を見ているうちに、「荒川区らしい」住まいを自分で作ってみたくなりました。

とはいえ、大好きな地元に建てる物件。そう思うとパッとコンセプトが浮かびませんでした。

そこで、イベントを通してここに建てる物件内容を決めてみよう、と実験を始めた次第です。



町の良さを体感できる
「荒川区暮らしシミュレーションイベント」

イベント開催にあたっては、区内の方々が有志で手伝ってくださいました。

不定期で、町の味を知れるマルシェや、町の歴史やお店を知れる街歩きなどを開催。いずれ建つ物件にご興味のある方だけでなく、荒川区在住で地域をもっと知りたい方、近々荒川区に引越し予定の方、まちづくりの仕事や研究をしている方々がご参加くださいました。

「空き地レンタル」を始めてみたところ、荒川区を拠点に家具や日用品を開発・販売する『86400″ (はちろくよん) 』さんがワークショップ会場としてレンタルしてくださったこともありました。

イベントのたびにご近所さんたちが手伝ってくださり、「物件が建つのが楽しみだね」とお隣さんたちに励ましてもらったり、「想像建築で荒川区を知り引っ越してきた“想像住民”です!」と名乗ってくれる人と出会えたり、数えきれない嬉しいこと、背筋が伸びることが起こりました。
「物件完成は楽しみだけど、空き地とお別れするのはちょっと寂しい」と近隣の方からいただいた言葉が、遠回りな2年間を肯定していただけたようで沁みました。
一般的な物件建設の道のりから考えると寄り道をしすぎているかもしれませんが、私にとっては必要な時間だったなあと思います。

イベントを通して改めて、この町にはユニークで地域愛に溢れた方がたくさんいて、私はそんな人たちと友達になったことで、荒川区への愛着が増しているんだなと気がつきました。この「人」たちが町の魅力なんだろうなと思いました。魅力的な人たちが、荒川区の個性的な場を作り育てている。それを知れば知るほど、町に住み続けたくなる。

そうして浮かんだコンセプトが『町に長く住みたくなる賃貸住宅』です。
このコンセプトをもとに、賃貸マンション「ロジハイツ」建設計画がスタートしました。

『想像建築』イベント一覧

『想像建築』絵日記